Adobe Illustrator での入稿データの作り方です。
※この後は「イラレ」と略します。
デザインデータがある場合の、入稿用のデータを作る手順です。
■デザインデータの準備
まずは図柄デザインをご用意ください。
Adobe Illustrator で作成するか、画像データ等をイラレデータに配置させてください。
□入稿データは印刷する原寸サイズで作成
□カラーモードは[CMYKカラー]にする
印刷はCMYKで行うため[RGBカラー]だと正常に印刷できません。
配置してある画像もすべて[CMYKカラー]にしておいてください。
[ファイル]→[ドキュメントのカラーモード]▶[CMYKカラー]
元のデータが[RGBカラー]だった場合、[CMYKカラー]に変更すると墨文字等がCMYKの掛け合わせになっています。ご注意下さい。
□フォント(文字)は全てアウトラインをかける
必ず全ての文字に対してアウトラインをかけてください。
アウトラインをかけると、フォントの情報が破棄され文字が図形化されます。
そのため、文字化けせずに正常に印刷できます。
ただし[文字]ではなくなり[図形]となるので、書体の変更や文章の編集ができなくなります。
●アウトラインのかけかた
①文字を全て選択
※この時、文字以外の図柄も選択されていても大丈夫です。図柄が単純な場合は全選択でも可能です。
②[フォント]→[アウトラインを作成]
一度アウトラインをかけると元の文字編集ができる状態には戻りません。
アウトラインをかけたデータは[別名で保存]するなどして、アウトライン前のデータを残しておくことをオススメします。
□背景にも図柄がある場合はヌリタシ部分が必要
背景に図柄が全面にある場合、もしくは一部分だけれど仕上がりまで図柄がある場合は、印刷時にヌリタシが必要なので、大きさに余裕のあるデータを使用してください。
背景が柄や色のない無地の場合は大丈夫です。
□画像は解像度が300ppi以上が必要です
画像解像度は原寸デザインのイラレに配置した状態で 300〜350ppi程度が必要です。
解像度が低い画像は図柄のフチがぼやけたり、ギザギザした粗い感じの仕上がりになってしまいます。
低い解像度の粗い写真を無理やり解像度を上げてもきれいにはならないので、お客様の方で高解像度の画像をご準備ください。
□画像はリンクで、画像データを全て添付する
基本的には埋め込まずに[リンク]で配置してください。
[埋め込み]でもかまいませんが、念のために画像データは全て入稿してください。
●[リンク]と[埋め込み]の違い
[リンク]は、文字通り画像をリンクさせているので、リンク画像データを修正した時に、差し替え直さなくてもイラレに貼ってある画像にも反映されます。しかし、その画像データ自体がなければエラーになり、印刷できません。
そのため、画像が全て必要なのです。
[埋め込み]は、直接イラレに画像を埋め込んでいるので、画像データを別に添付しなくてもエラーにはなりません。
ただし画像を埋め込んでいる分、データサイズが大きくなります。
また、画像を修正した場合、直接反映されず、イラレ上で再度手動で画像を差し替えなければなりません。
画像データを確認したり修正する場合があるので、弊社では基本的には[リンク]での入稿をお願いしています。
[埋め込み]での入稿の場合でも、可能であれば埋め込んだ画像データを入稿してください。
表示での見分け方は、[リンク]ウィンドゥのリストで、右側に四角いアイコンがある場合は[埋め込み]になっています。
イラレで画像を選択した場合にも[リンク]か[埋め込み]かを区別することができます。
もし選択してもラインが見えない場合は、
[表示]→[境界線を表示]を選択してください。
参考:上の参考例では選択した時のラインが青ですが、これはレイヤーオプションのカラーが反映されています。レイヤーカラーが赤の場合は赤で表示されます。
この色を変更したい場合は、[レイヤー]ウィンドウの右上のメニューバーから[レイヤーオプション]を選択するか、レイヤーのサムネイル部分をダブルクリックすると設定の画面が表示されます。
□ラスタライズ効果設定の解像度を300ppiにする
イラレで[効果]を使用している場合は、ラスタライズ効果設定の解像度を確認しておいてください。
[効果]→[ドキュメントのラスタライズ効果設定]→[解像度]300ppi
300ppiより低い数値だときれいに印刷できない可能性があります。
[効果]を使用していない場合は、この項目は関係ありません。
■トリムマーク(トンボ)をつける
シールの仕上がりに対してトリムマーク(トンボ)をつけてください。
[オブジェクト]→[トリムマークを作成]
仕上がりサイズのオブジェクトを選択して[トリムマークを作成]を実行すると、一番上のレイヤーにトリムマークが作成されます。
■ヌリタシをする
シールの仕上がりから1.5ミリ以上のヌリタシをつけてください。
カットする際にどんなに丁寧に調整しても若干はズレることがあります。
ヌリタシがないと微妙にズレただけでも柄のない部分が不均等に見えてきれいな仕上がりになりません。
そのため背景に図柄や色がある場合は必ずヌリタシをつけてください。
ヌリタシをつける場合、余白を広げる方法や、全体を拡大する方法等あります。
拡大する場合は、文字や図柄の必要な部分が仕上がりより外にはみ出てしまわないようにお気をつけください。
背景に図柄や色がない無地の場合はヌリタシ作業は必要ありません。
■刃型データを作る
シールは仕上がりの形にカットするのに刃型でハーフカットしたり型抜きしたりします。
単純な四角形や丸、角が丸い角丸の四角形。星型や変形の不規則な形。
シール作成時には様々な形にカットする為に刃型が必要になります。
入稿時には、カットするための刃型線を作成してください。
刃型線を作成する時、必要な図柄の線か刃型のアタリ線なのか分かりにくい場合もあるので、イラレデータに新しいレイヤーを追加し、刃型データのみのレイヤーを作ってください。
塗りなしの、線のみで作成してください。
色はスミの罫線でかまいません。何色でも大丈夫です。
●刃型の形を[効果]を使用して作成している場合
刃型の角丸や変形を[効果]で作成している場合は[アピアランスの分割]を行っておいてください。
ツールの[角丸長方形ツール]で角丸にしている場合や、ペンツール等で自分で描いている線は[アピアランスの分割]をしなくても大丈夫です。
●[効果]を使用した枠かどうかの見分け方・・・同じ四角形でも違う角丸データ
下の角丸四角形は2つとも同じに見えますが、実は角丸のつけ方が違います。
これを選択ツールで選択すると違いがわかります。
左側の角丸四角形を選択すると角が丸くなった形に選択の境界線が表示されます。
右側は角が丸くない四角い形の選択になっています。
左はツールの[角丸長方形ツール]を使用して角丸を作成しています。
右側は[効果]の[スタイライズ]→[角を丸くする]で角を丸くしています。
[アピアランス]ウィンドゥで確認・変更ができます。
これで[効果]で角丸にしているかどうかが分かります。
■入稿するデータをまとめる
作成した入稿データをメールもしくは転送サービス等で弊社に送ります。
必要なものはイラレの入稿データとそれに配置されている(埋め込まれている)画像全てです。
逆に使用していないデータは入れないでください。
画像等を配置していない場合はイラレデータのみとなります。
リンク画像がたくさんあって分かりにくい場合は、イラレの[パッケージ]機能を使用してもいいかもしれません。
ただし、この機能はデータが複製されてしまうことと、リンク画像しかパッケージングしてくれないことを覚えておいてください。
パッケージした後にデータを修正することになった場合は、ご注意ください。
元データを修正した場合は、再度、新しいデータでパッケージし直してください。
バッケージデータを直接修正した場合は、パッケージ前の元データを使用しないように気をつけてください。
パッケージの度に複製データができるので、違うデータを使用しないよう、データの管理にはご注意ください。
また埋め込み画像データも手動で全て入れてください。
メールで送る場合は圧縮してから添付してください。